3/10面会報告by怜美
面会概容
○日時:2010.3.10
○場所:東日本入国管理局
(牛久収容所)
○面会人数:計25名(4~6名ずつ)
在日ビルマ難民助けあいの会(BRSA)会長大滝
妙子さんと一緒に面会。
ビザ申請の仕組み
①難民申請(基本的には入国6カ月以内)
②仮滞在許可⇒インタビュー⇒許可
仮滞在不許可⇒インタビュー⇒不許可
③異議申し立て(1週間以内)
④許可 or 不許可⇒第2回難民申請
(新証拠を付けた上で!!)
ビルマについて
ビルマの呼称
「ミャンマー」という国名は現在広く普及していま
すが、軍事政権の一方的な改称によるもので承認し
がたい、ということから改称前の国名「ビルマ」が
使われることもあります。
今回はビルマで統一します。
ビルマの地理
-Wikipediaより-
ビルマの歴史
ビルマは50とも100ともいわれる
少数民族を抱えています。その多
くが、ビルマの中心民族であるビ
ルマ族(人口の約7割を占める)
と対立、衝突を重ねてきました。
○カレン族:
・キリスト教や土着信仰を重んじる。(ビルマは大多数が上座部仏教を信仰しています)
・1949年にKNU(カレン民族同盟)という軍事組織を作り早くから抵抗運動を展開。
・KNUはいぜんとして抵抗運動を続けており、和平協定を結んだ武装組織も
武装解除をしたわけではなく内戦の芽はくすぶりつづけたまま。
○ロヒンギャ族:
・イスラム教を信仰。
・バングラディッシュでもビルマでも国民として認めてもらえない。
ビルマの政治情勢
○NLDら民主活動家らも基本的にはミャンマー(ビルマ)人主体。少数民族との連携を試みている勢力も一部にはありますが、それも「敵の敵は味方」的なものであって、かれらが政権を握ってからの少数民族への対応ははっきりしているわけではありません。
○しかし、今現在も迫害を受けた多くの少数民族、ビルマ人が難民となっています。
面会について
面会①
○49歳ビルマ人女性:
日本には留学生として(当時デモ活動も)⇒帰国は危険!!
○31歳カチン民族女性:
親戚・父親がデモ活動⇒自分の身も危険に!
○その他健康上の悩み:ニキビ、便秘、生理不順等
○CLOVERを紹介⇒喜んでくれた方も。
○自殺事件について皆心配そう。
面会②
○ビルマ人男性5名(カチン族1名、ロヒンニャ族1名)
○40歳カチン族男性:
・日本には14年間滞在。
・5年近く牛久収容所に。3年仮放免されたが、また戻ってきた。
・ビルマでは、雑誌やインターネットで反政府的なものを閲覧したり利用したりするだけでも、政府がそれを調査。反政府的な危険人物とされる。
面会②
○28歳男性:
2010/1/19 成田から入国。そのまま難民申請を出す。
○26歳男性:
・イスラム教徒。
・2004年に入国したが(ビザあり)、overstayに。
○ビルマからの難民は、ほとんどが政府からの迫害を逃れてきた人々。
○収容所内の問題:
・喧嘩が多い(職員とのみならず、被収容者同士でも)
・言葉がわからない
面会②
○Association of United-Nationalities Japan(AUN)という団体を収容所内で立ち上げる。
⇒ 2010/2/10 25歳日系ブラジル人男性自殺
2005年 ビルマ難民2名自殺
2001年 ベトナム人、インド人自殺(大阪入管)
⇒再発防止を求め、鳩山総理大臣、法務大臣、外務大臣に抗議文を提出中。
民族の壁を越えた動きも!!!
面会③
○37歳、34歳男性:
・以前はタイに。それから日本に。
・ビルマでの生活:
厳しい。ホームページ、ラジオ、本、携帯など、日常の些細な場面でも、
反政府的なものは一切接触禁止。
○長井さんの事件について:
彼らは長井さんを狙った殺人であると考えている様。
しかしそのような事件は日常茶飯事。
面会③
○ビルマ民族男性5人
○42歳男性:
日本には1991年に来た。(以前はインドにもいた)
88年ごろ(大学生時代)よりデモ活動。
○45歳男性:
3~4年前に、大学時代の友人とデモ活動。
○37歳男性・34歳男性:
・政府からの迫害を受け、2010/2/15に成田から入国。そのまま難民申請を行う。
面会③
○ビルマの現状:
・何でも賄賂で動く(殺人、政治犯の扱われ方等)
・1カ月1万の税金⇒日本にいる間も。
・政治犯は商売ができなくなる。家族にも迷惑がかかる。
○健康状態について:
血圧、血尿。
面会④
○ナイジェリア出身の男性3名、スリランカ人男性1名
(全員難民申請者)
※弁護士はいるが、保証人・お金は持たないという17歳のナイジェリア男性にも会う予定だったが今回は断念。
○40歳ナイジェリア人男性:
・日本人の奥さん、子どもがあり、結婚VISAを求める。
・日本の刑務所から牛久へ。
面会④
○ナイジェリア人男性:
・現在のナイジェリア…
クリスチャンとムスリムが対立!!!
・彼は、Traditional African ReligionのChief Priestになる。
http://afrikaworld.net/afrel/index.html
・命を狙われ、ブルネイへ⇒大学の先生が助けてくれて、名古屋へ。
・しかし先生とは宗教が違うため、身の危険を感じ、先生から逃げる。
・Overstayになり、牛久へ。
面会④
2010.1.19 10:12 産経新聞より
西フリカ・ナイジェリアからの報道によると、中部プラトー州の州都ジョスで17
日、イスラム教徒とキリスト教徒が衝突、AP通信によると、18日までに死者
は少なくとも27人に達した。負傷者も300人以上に上るという。
衝突は18日に沈静化したが、地元赤十字関係者によると、約5千人が家を失っ
た。地元当局者によると、イスラム教徒の若者が教会を焼き打ちにしたのがきっか
けで、モスク(イスラム教礼拝所)も焼き打ちに合った。
ナイジェリア北・中部では宗教間の衝突がしばしば発生、ジョスでは
2008年11月にも衝突が起き、300人以上が死亡した。(共同)
面会⑤
○パキスタン人男性:
・日本人の奥さん、子どもあり。車関係の会社を経営。
・日本には19年くらい住んでいる。収容所には4年間。
・スピード違反⇒収容所へ。(外国のVISAだとスピード違反でも)
・日本語、社会的知識があるため、他の難民の手伝いをしている。
○バングラディッシュ人男性:
・政治犯となり、裁判中に逃亡
⇒留学生として日本に。日本にいるとき本国で終身刑に。
面会⑤
○バングラディッシュ人男性(続き):
不満を訴える。
・難民であるかどうか別にして、いつまでいのかが分からないような状況に閉じ込めておくのは、果たして「人道的」と言えるのかどうか。
・自分の国は危険なのに、そこから証拠を持ち出すのは不可能では?
(危害が加えられる、あるいは家族など第三者に危害が)
・責任は誰に?私にだけあるのか?
・日本人は自分たちに影響がなければ見て見ぬふりなのか?
面会⑤
○バングラディッシュ人男性(続き):
・何かあっても我慢するようにとしか言ってもらえない。
・動物より下の扱いなのではないか?
・国がやっているのはなぜ?
・記者の人に来てもらえるよう働きかけて欲しい
⇒でないと、正しく自分たちのことを知ってもらえない。
全体的な感想・疑問
○CLOVERについて、自分についての説明を準備しておくと良い。
○質問等も、日本語・英語両方で準備しておくと良い。
○問題は自分の想像以上に複雑!!!
ビルマ:全体的な対立構造しか知らなかったが、民族間でも。
○国ごとに、問題の特性があり、予備知識が必要!!
⇒これから勉強会や自主学習なので習得していく必要性。
○日本人の無関心を難民たちもやはり感じ取っている。
○見返りはない。自分が何をしたいか。
以上です。
ご静聴ありがとうございました。